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【茨城王のいばらき放言】#06 かすみがうら市~マジ出島!帆引き王に俺はなる 2014.09.29

茨城県には名前の文字数が日本一の市町村が2つあるのをご存知ですか?
今回取り上げる「かすみがうら市」と「つくばみらい市」です。どちらも6文字で、これは鹿児島県の「いちき串木野市」と並んで日本一の文字数なんですね。茨城県民としましては、いちき串木野市が一部漢字を使ってくれてよかったです(笑)。
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ちなみに、なぜ「かすみがうら市」はすべてひらがなを使っているのでしょうか?
普通に名称だけを考えれば、湖の名前をそのまま使って「霞ヶ浦市」でもよかったはずです。
ところが、そうはいかないのが合併の難しいところ。
かすみがうら市は、霞ヶ浦町と千代田町の新設合併によって生まれたのですが、元々の市町村名にすでに「霞ヶ浦」が使われていたために、新市の名前を霞ヶ浦市にしてしまうと、霞ヶ浦町に千代田町が編入されたようなイメージを持たれる可能性がありますよね。
といいつつも、日本第2位の湖である霞ヶ浦の名前は県内では知名度もありますし、場所もイメージしてもらいやすいから使いたいし……だったら、ひらがな市名にしっちゃーべ!ということで「かすみがうら市」という名称に落ち着いたわけですね。きっと。
ひらがな市名については、県内でつくば市やひたちなか市の例があり、また、霞ヶ浦という漢字が書きにくい点も考慮すれば、それほど抵抗もなかったのではないでしょうか。

でも、もし仮に霞ヶ浦町がなかったら、霞ヶ浦市になっていた可能性は結構高かったでしょうね。けっして旧霞ヶ浦町の存在をなかったことに……という話ではありませんよ。
私は、霞ヶ浦町が名前を変えていなければ……という話をしているのです。
そう、昔そこは「出島村」でした。全国的には出島といえば、長崎。でも、茨城で出島といえば出島村のことです。
マジ出島! 上から読んでも下から読んでもマジ出島です(笑)。
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さすがにオランダとの貿易はしていませんでしたが、湖の向こう側の玉造との交易はあったかもしれません(笑)。
その出島村が1997年の町制施行を機に「霞ヶ浦町」と改称してしまったんですね。
出島町でいがったっぺよ~と今さら言っても始まりませんが、霞ヶ浦町になってからも、みんな「出島」と言ってたんですよ。
だって霞ヶ浦町って名前が長いし、「霞ヶ浦」って言うと、町の名前なのか湖なのの名前か、区別しにくいじゃないですか。また、出島といえば霞ヶ浦に半島のように出っ張っている部分だとすぐわかるので、地理的にもイメージしやすいですからね。
だから、出島は霞ヶ浦町になってからも出島だったんですよ。農協がJAになっても農協って言われているのと同じですね(違うか)。
ちなみに市内にあるお城型の建物は正式名称「かすみがうら市郷土資料館」といいますが、名前が非常に長いので、少なくとも私の周りではみんな「出島城」と呼んでいます。天守閣から霞ヶ浦を一望できて眺めは最高ですよ!

では名前についてはこれぐらいにして、市の特徴をざっくり見ていきましょうか。前回の常陸大宮市は名前だけで終わりましたので、さすがに二度続けて同じ展開とはなりません(笑)。

かすみがうら市は大きく3つのエリアに分けることができます。一つはさきほどの出島、1つは千代田、1つは神立です。

出島は旧出島村エリアですね。こちらはなんといっても霞ヶ浦のイメージが強いです。帆引き船や漁業、蓮田などがキーワードでしょうか。小さいながらも水族館があるんですよ。あのダイオウグソクムシもいっかんな!

千代田は旧千代田町の大部分です。こちらは山のイメージです。梨、イチゴ、ブルーベリー、栗、柿、ブドウなど果樹栽培がさかんで、都心からのアクセスも良いことから観光果樹園も多いです。
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そして、最後の神立。あれ?神立って土浦じゃなかったっけ? ……そうです。神立は土浦ですが、神立駅の周辺と国道6号にかけては土浦の神立とほぼ一体化していますね。市内唯一のショッピングセンターもあり、まちの中心部といっていいでしょう。

実はかすみがうら市は旧市町村の接地している境界線が県内で最も短い市でもあるんですよ。つまり、旧霞ヶ浦町と旧千代田町はちょこっとしかくっついていなかったということですね。同じ市内で湖と山とまちというエリアの特徴がはっきりわかれているのは、このような地理的理由によるところも大きいでしょうね。

ただ、PRをする場合に特徴の違う2つのものを一緒に紹介するのって結構難しいですよね。そこで、かすみがうら市が考えたキャッチフレーズが「湖山の宝」。湖の幸と山の幸のイメージをくっつけたネーミングで、湖と山でそれぞれキャラクターがいるんですよ。
特に湖のほうのネーミングが秀逸で、名前を「ホビキング」といいます。ホビットの王様っぽいですが(笑)、帆引き船の王様という意味でしょうね。同じキングとして私も親近感を覚えます。ぜひ「帆引き王に俺はなる」と言ってほしいです(笑)
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山の方はフルーティーズ。こっちは頭に果物をかぶった女子3人組で、名前は普通ですが、結構かわいいです。
どちらも観光協会のホームページで見ることができます。

そして、最後にもう1つ。かすみがうら市で忘れてはならないキャラクターが「ガウラーC」。3人組のいわゆる戦隊ヒーロー系キャラで、どことなく感じるB級感がむしろ好印象です。しかも、リーダーのガウラーレッドは茨城弁モードに切り替え可能というローカルぶり(笑)。こちらは非公認キャラのため、お目に機会かかれるは限られますが、かすみがうらマラソンなど大きなイベントにはよく登場するそうなので、ぜひみなさんもご自身の目でガウラーCの雄姿をごらんください。

イラスト:芦名みのる

茨城王(イバラキング)
Webサイト『茨城王(イバラキング)』を運営しています。ラヂオつくばにて『イバラキングのごじゃっぺラジオZ』放送中。常総ふるさと大使。主な著書は『いばらぎじゃなくていばらき』。
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