【茨城王のいばらき放言】#14 小美玉市~「おみたまらんど」にようこそ! 2015.06.11
あぐかるコラムの小美玉市編です。小美玉市は茨城空港があるところですね。特産はニラ、乳製品、マニアなスポットは納豆博物館とひょうたん美術館でしょう。納豆博物館は、あの「おかめ納豆」で有名なタカノフーズの本社にあります。
ではここで問題です!小美玉市は3つの市町村が合併してできました。3つの市町村とは小川町と美野里町とどこでしょう?
玉造……と見せかけて……玉里!
答えは「玉里村」です。ひっかけ問題なのですが、あんまり難しくなかったですか?
玉造町も当初小川町と合併する話が出ていましたが、同じ行方郡の麻生町、北浦町と合併して行方市になっていますね。
では次の問題。玉里村はどこの郡だったでしょうか?
これは結構難しいかもしれませんが、答えは「新治郡」です。実は県南エリアだったんですね。小川町と美野里町が東茨城郡で県央エリアなので、小美玉市も県央エリアとなっていますが、旧玉里村地区は県南から県央に変わったので、車のナンバーも土浦から水戸ナンバーに変わりました。
県内でエリア外の合併を行ったのは小美玉市と桜川市のみですね。桜川市は県西エリアですが、岩瀬町は県央エリアの西茨城郡、真壁町と大和村は県西エリアの真壁郡でした。
というわけで、のっけから玉里をフィーチャーしてみましたが、「小美玉」という名前は結構インパクトがありますよね。英語だと「スモール・ビューティホー・ボール」。なぜ英訳したかというと、「モー」「ホー」「ボー」できれいに韻を踏んでいるからです。私、ラッパーなのでつい(笑)。
……ただ、正確な英語の発音だと「ビューティホー」は「ホー」じゃなくて「ビュー」にアクセントがくるので韻踏みにはなりませんが。
それはさておき、この小美玉という名前は合併の時に考えられたわけではなく、合併前から広域消防で使われていました。ですので、地元市民にとってはすでになじみがあったのでしょうね。ちなみに住民公募で最も数が多かったのは百里市(376件)で、次点が小美玉市(351件)です。数的にはほぼ差はなく、地域全体をイメージさせる小美玉に決まったのは自然の流れだったのかもしれません。
小美玉市のような、いわゆる合成地名というのは全国的には結構あります。代表的なのは国分寺+立川=国立(駅・市)や大森+蒲田=大田(区)などでしょうか。それにしても国立の由来を初めて知った時のガックリ感はすさまじいものがありますよね(笑)。
県内では小美玉の他に、「常総」が旧国名である常陸国と下総国から、「神栖」が神之池と息栖神社から付けられています。
ただ、旧市町村名から3文字をとって合成した地名となると全国的にも珍しく、県内では小美玉が唯一となります。やはり3文字合成というのはなかなか難易度が高く、小美玉のように、意味的にヘンにならず、文字のイメージもきれいで、違和感なく読めるパターンを作るのはなかなか大変で、たとえ作れてもなんか「しっくりこない」んですね。
県内では筑西市の合併時に「しあわせ市」という候補名があったことは過去の記事で紹介しましたが、他に挙がったところはなかったと記憶しています。
では最後に市内の駅の名称にもふれてみましょう。話の流れ的に、今回は「名称」推しでいくのがよいかと。まあ、最後といいつつ、ここからが本番ですが(笑)。
現在の市域には、かつて鹿島鉄道も通っていて駅もたくさんありましたが、今あるのはJR常磐線の1駅のみとなっています。
ではここで最後の問題です。小美玉市内にある唯一の駅の名前は何でしょう?
これは地元じゃない方には結構難しいかもしれませんが、答えは「羽鳥駅」ですね。
羽鳥という名称はどこからきているか調べてみたところ、明治時代まであった羽鳥村からのようです。
羽鳥村は明治22年の合併で竹原村になり、その後、昭和31年の合併で美野里村になっています。羽鳥駅ができたのが明治28年なので、この時点ですでに羽鳥村はなく、竹原村になっていまして、なぜ羽鳥駅になったのか疑問が残りますよね。そこで、地図で場所を調べてみたところ、羽鳥と合併する前の竹原村、現在の小美玉市竹原は羽鳥駅からはだいぶ離れていることがわかりました。
羽鳥と石岡のほぼ中間の場所なんです。そういうことから旧村名である羽鳥の名称が駅名に使われたのではないかと推測しています。
ところで駅名といえば、同じJR常磐線の佐貫駅を龍ケ崎市駅に改称しようとする動きがありますね。佐貫という名称が広く知られておらず、自治体名と一致しない人が多いのが理由だそうで、市内に関東鉄道の「竜ヶ崎」駅があるため、市名と同じ「龍ケ崎市」駅が候補となっています。
同じような名称変更は、県内で他に「十王」や「東海」の例があります。
十王は、かつては「川尻」という駅名でしたが、合併で十王町が日立市になるのを機に、旧町名である「十王」に改称されました。なぜ川尻から変更になったかというと、川尻というのは駅があった十王町ではなく日立市の住所だったんですね。それで合併を機に十王の名称を残したいという住民の思いから改称がおこなわれたのだと思います。
東海駅のほうは「石神」という駅名でしたが、石神村と村松村が合併して東海村になった2年後の1957年に改称になっています。この年は東海村にはじめて原子の火がともった年で、東海村が全国的に脚光を浴びることになり、改称にいたったものだと考えられます。
正直なところ、それほど知名度があるとはいえない羽鳥駅……今後改称されることはあるのでしょうか? その可能性について考えてみましょう!
改称されるとすれば、以下のような駅名が候補に挙がってくるかと思います。それぞれ可能性を探ってみます。
1.茨城空港駅:現在、市内で最も有名なスポットといえば「茨城空港」ですから、空港がある市の駅ということで「茨城空港駅」。これは可能性が高そうです……が、冷静に考えると、まずあり得ませんね。なぜなら茨城空港には石岡駅や高浜駅の方が近く、羽鳥が最寄駅ではないからです。ちなみに茨城空港のアクセスガイドには電車でのアクセスは記載されていません。駅から徒歩で行ける距離ではなく、バスやタクシーを利用せざるを得ないからです。
2.美野里駅:旧美野里町からですね。美野里という名称をPRしたい、または残したいといケースです。美野里は昭和の合併で作られた新しい名前ということもあり、中学校や市の施設などで使われている他は名称としてそれほど使われていないようです。よって、駅名になる可能性はかなり低いと思われます。
3.小美玉駅:龍ケ崎市や東海村のように市の名前を冠するケースですね。小美玉市に全国から脚光を浴びるようなスポットができるなどして、小美玉市の知名度が飛躍的に伸びた場合、考えられないことはありませんね。例えば、新東京ディズニーランドが小美玉市にできた場合などです。ただ、この場合、スポット名が駅名になったほうがわかりやすいので、「小美玉駅」よりも「新東京ディズニーランド駅」になる可能性が高いと思われます。
以上をまとめますと、羽鳥駅が改称される可能性はかなり低そうです。唯一考えられるのは、全国的に注目されるスポットが作られ、そのスポット名が駅名になるというケースでしょうね。
ただ、どうしてもそれでは納得できないという方もいるでしょうから、「小美玉駅」になる可能性も示しておきたいと思います。新しくできる施設の名称に「小美玉」が入っていれば可能性は高まるはずです。
まあ、さすがに「小美玉ディズニーランド」は無理でしょうが、多摩テックが小美玉で復活して「小美玉テック」ならばどうでしょう?これなら「小美玉駅」でもいいですね。
まったく新しい施設なら「おみたまらんど」ですかね? 「小美玉」の「たまらない」スポット、キャッチフレーズは「こりゃたまらんぞ おみたまランド」。つまらんとは言わせませんよ!
……ダジャレが決まったところで、そろそろお別れです。
また会いましょう、さようなら~(笑)